悪性黒色腫(メラノーマ)闘病記。徳永寛子さんが診断から治療、着物を通じた自分らしさの発見までを語る。出会いと前向きな生き方に感動!
LA Butterflyとは:
LA Butterflyは、ロサンゼルス発信のがんサバイバーたちが『自分らしさ』を見つけ、力を得たストーリーを届けるプラットフォーム。さなぎから蝶へと羽ばたくイメージを込め、彼らの言葉、学び、おすすめアイテムをまとめ、希望と勇気を共有します。
徳永寛子さん闘病まとめ:
悪性黒色腫(メラノーマ)との出会いと自分らしさの発見:
徳永寛子さんの悪性黒色腫(メラノーマ)闘病記は、単なる病との戦いの記録ではありません。彼女は、がんを通じて自分自身を再発見し、着物という新たな情熱を見つけました。もともと趣味だった着物を、闘病を機に仕事として本格的に追求することを決意。メラノーマという希少がんの診断を受けたことで、「もし人生が短いなら、何をしたいか」を真剣に考えた結果、着付け師としての道を歩み始めました。
彼女の肩にあったメラノーマは、家族の何気ない一言から発見されました。商店街の皮膚科での偶然の受診が、命を救うきっかけに。診断当初はパニックに陥ったものの、家族や医師との対話を通じて冷静さを取り戻し、治療に前向きに取り組みました。この過程で、徳永さんは「自分らしさ」を追求することの大切さを学びました。着物を着ることは、彼女にとって単なるファッションではなく、自己表現であり、リハビリの一環でもありました。手を動かす着付けの動作は、メラノーマ手術後のリンパ浮腫による手の動きの制限を改善する助けにもなったのです。
さらに、メラノーマの闘病を通じて、徳永さんは「STAND UP!!」という若年性がん患者の団体に参加。この団体での活動は、彼女に新たな人間関係と自己肯定感をもたらしました。同じ境遇の人々との交流は、孤独感を癒し、人生をより豊かにする「キャンサーギフト」となりました。徳永さんのストーリーは、**悪性黒色腫(メラノーマ)**に直面しても、夢を追いかけ、自分らしさを見失わないことの重要性を教えてくれます。
前向きで力を与える発言や考え:
- 「泣いて、笑って、楽しく生きる」: 「気持ち次第だと思うんです。不幸だと思えば悪い方向にしか行かない。だから、楽しく生きるために何ができるかを考えたい。」
- 「1人じゃない」: 「メラノーマは希少がんで、理解してくれる人が少ない。でも、必ず誰かがいる。自分以外にも同じ経験をしている人がいると思うんです。」
- 「がんになってよかったと思えた」: 「もちろん、がんになるのは良くない。でも、それを上回る出会いや気づきがあったと思うんです。」
- 「人生が短いなら、何をしたい?」: 「闘病中に考えたんです。もし時間が限られているなら、自分が本当にやりたいことをやろうって。」
(がんノート)
徳永寛子さんの闘病記録:
- 診断の経緯:
- 肩のほくろが家族に指摘され、商店街の皮膚科を受診。
- 医師が「がんの可能性は低いが、念のため検査」と判断。
- ほくろの特徴:アメーバ型、盛り上がり、色がまだら、最大11mm。
- ゴールデンウィーク明けにほくろが大きくなったように見え、総合病院へ紹介。
- 総合病院で「ほぼメラノーマ」と診断、がんセンターへ紹介。
- 治療の流れ:
- 初回手術:
- 肩のメラノーマ原発巣を2cmのマージンで切除。
- センチネルリンパ節生検を実施(リンパ液が最初に流れ込むリンパ節を調べて転移を確認)。
- 術中検査で陰性だったため、リンパ廓清(リンパ節の広範な切除)は回避。
- 病理検査:
- 術後の詳細な検査で、センチネルリンパ節に微小ながん細胞を確認。
- 2回目手術:
- 左脇のリンパ節を追加切除(リンパ廓清)。
- 術後療法:
- インターフェロン注射を1クール(毎日投与)。
- 月1回の注射と半年ごとの検査を継続。
- 2年以内の再発リスクが高いため、3年間の経過観察を選択。
- 初回手術:
- 後遺症:
- リンパ浮腫:リンパ節切除後、インフルエンザをきっかけに発症。手が腫れ、動かしにくくなる。
- 肩の可動域制限:手術後、腕が30度しか上がらない時期があったが、着付け動作でリハビリ。
徳永さんの場合、メラノーマの早期発見と迅速な治療が、ステージ3ながら予後を良好に保つ要因となりました。
悪性黒色腫(メラノーマ)の医学的解説
**悪性黒色腫(メラノーマ)**は、皮膚のメラノサイト(色素産生細胞)から発生する悪性腫瘍で、皮膚がんの中でも特に悪性度が高いとされます。徳永さんのケースのように、ほくろやシミが変化することで発見されることが多いですが、進行が速く、早期発見が重要です。
メラノーマの特徴
- 外見: 非対称、境界が不明瞭、色がまだら(黒、茶、赤など)、直径6mm以上、経時的な変化(ABCDE基準)。
- 発生部位: 皮膚(特に日光暴露部位)、まれに眼や粘膜。
- 進行: 表皮内にとどまる早期から、リンパ節や遠隔臓器に転移する進行期まで。
ステージ分類
- ステージ0: 表皮内にとどまる(上皮内メラノーマ)。
- ステージ1-2: 皮膚への浸潤が限定的、転移なし。
- ステージ3: リンパ節転移(徳永さんのケース)。
- ステージ4: 遠隔転移(肺、肝臓など)。
治療方法
- 手術: 原発巣とマージンを切除。リンパ節転移があれば廓清。
- 薬物療法: 免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブなど)や分子標的薬。
- 経過観察: 再発リスクが高いため、定期検査が必須。
参照情報
- 日本皮膚科学会: メラノーマの診断基準と治療ガイドライン。https://www.dermatol.or.jp/(診断基準や治療法の概要)。
- 国立がん研究センター: メラノーマのステージ分類と予後。https://www.ncc.go.jp/(ステージごとの治療方針)。
- American Cancer Society: メラノーマのABCDE基準。https://www.cancer.org/(国際的な診断基準)。