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Ⅲ期・Ⅳ期 可能な限り「手術療法」を行う

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子宮体がんのⅢ期の患者さんに対しては、手術療法が第1選択となります。一方、腹腔膜播種(ふくくうはしゅ:お腹の中に小さな転移がんが広がっている状態)があるⅣ期の患者さんでは、がんの広がりや体の状態などを判断して、「手術が可能」と判断された場合には手術療法を行います。

子宮体がんが広範囲に存在していて「手術が難しい」というケースでは、手術の前に「化学療法」を行って子宮体がんの大きさを縮小させ、その後に手術を行う場合もあります。このように手術の前に行う「化学療法」を「術前化学療法」と呼びます。ただ、すべての場合に「術前化学療法」を実施できるわけではなく、がんの広がり方や患者さんの身体の状態などを考慮して「可能である」と判断された場合のみ行われます。

Ⅲ期・Ⅳ期とも「手術ができない」と判断された患者さんに対しては、「化学療法」または「放射線療法」が行われます。ほかにも「ホルモン療法」が行われる場合があります。

Ⅲ期・Ⅳ期の手術療法

手術療法は、患者さんの病状に合わせて「単純子宮全摘出術」「準広汎子宮全摘出術」「広汎子宮全摘出術」のうち最適な方法が選択されます。手術では、卵巣と卵管の摘出と、場合によってはリンパ節郭清術が合わせて行われます。
手術後には再発リスクを判定して、「術後補助療法」として「化学療法」または「放射線療法」を行います。

 

  • 「術後補助療法」に関する詳しい情報
    Ⅰ期・Ⅱ期 治療の中心は「手術療法」 」の「「術後補助療法」として行われる化学療法」または、「「術後補助療法」として行われる放射線療法」をご覧ください。


手術の代わりに行われる「化学療法」と「放射線療法」

Ⅲ期とⅣ期で、手術を行うことができない患者さんには、「化学療法」や「放射線療法」が行われます。


1) 化学療法

「術後補助療法」と同様に、2種類の「細胞障害性抗がん薬」を併用します。2剤を併用することで、1剤だけの場合よりも治療効果が高いことが実証されています。実際に使用されるのは、次の組み合わせです。

  • AP療法:「アドリアマイシン(ドキソルビシン)」と「シスプラチン」
  • DP療法:「ドセタキセル」と「シスプラチン」
  • TC療法:「パクリタキセル」と「カルボプラチン」

化学療法には副作用があります。 しかし最近では、「制吐剤(せいとざい)」と呼ばれる、吐き気止めの薬を使うことで、副作用の中でも吐き気や嘔吐についてはかなり軽減できるようになりました。

化学療法を行った際の副作用と、制吐剤の詳しい情報は、「 手術療法の後に行われる薬物療法 どのような薬が使われるの? 」をご覧ください。


2) 放射線療法

① 手術療法後の「術後補助療法」として行われる場合

放射線療法が検討される場合があります。実際に行う場合、基本的には「外部照射」と「腔内照射(くうないしょうしゃ)」を組み合わせて行います。

どちらの場合も、分割して照射が行われます。理由は、分割して照射することで、照射した範囲にあるがん細胞を減少させながらも、同じ範囲内の正常細胞へのダメージを最小限に抑えることができるからです。

② 手術が行えないケースで「放射線療法」が行われる場合

子宮体がんの制御(がんの大きさを縮小させる)を目的に行う場合、基本的には「外部照射」と「腔内照射(くうないしょうしゃ)」を組み合わせて行います。詳しくは①をご覧ください

一方、子宮体がんが骨などに転移した際、痛みや腫脹等の症状を和らげるために放射線療法が行われることがあります。この場合は主に外部照射が行われます。

放射線療法の治療の流れに関する情報は、「 放射線療法 」の「放射線療法はどのように行われるの?」をご覧ください。

放射線療法による副作用に関する情報は、「 放射線療法 」の「放射線療法の副作用」をご覧ください。

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