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がん闘病

多和田奈津子さんの甲状腺癌闘病記:希望と再生の物語 LA Butterflyまとめ

多和田奈津子さんの甲状腺癌闘病記。16歳で甲状腺がん、25歳で悪性リンパ腫を経験。診断、治療、希望の物語を詳細に紹介。

LA Butterflyとは:

LA Butterflyは、ロサンゼルス発信のがんサバイバーたちが『自分らしさ』を見つけ、力を得たストーリーを届けるプラットフォーム。さなぎから蝶へと羽ばたくイメージを込め、彼らの言葉、学び、おすすめアイテムをまとめ、希望と勇気を共有します。

多和田奈津子さんの甲状腺癌闘病記:

多和田奈津子さんの甲状腺癌闘病記は、16歳で甲状腺がん、25歳で悪性リンパ腫という二つの大きな病気を乗り越えた感動的な物語です。甲状腺がんは、甲状腺機能亢進症から発見され、手術で治療。悪性リンパ腫では放射線治療と化学療法を組み合わせ、寛解に至りました。彼女の前向きな姿勢と、患者会での出会いを通じた「キャンサーギフト」が、闘病中の人々に希望を与えます。

多和田奈津子さんの甲状腺癌闘病記:自分らしさの発見と夢:

多和田奈津子さんの甲状腺癌闘病記は、単なる病気の記録を超え、自己発見と夢への再挑戦の物語です。16歳で甲状腺がんに直面した彼女は、若さゆえに病気への知識が少なく、最初は「手術すれば治る」と楽観的に捉えていました。しかし、家族の涙や周囲の反応を通じて、甲状腺がんが重大な病気であることを徐々に理解します。この経験は、彼女の人生観を大きく変えました。

甲状腺がんは、甲状腺(喉の前面に位置し、ホルモン分泌を担う臓器)に発生する悪性腫瘍です。彼女の場合、甲状腺機能亢進症(バセドウ病とも呼ばれ、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態)から腫瘍が発見されました。触診で異常を感じ、母の勧めで病院を受診したことが早期発見につながりました。この早期発見は、甲状腺がんの予後が比較的良好である理由の一つです。彼女の「自分らしさ」は、病気を経て「生きることの価値」を再認識し、諦めずに新しい目標を見つける力に表れています。

25歳での悪性リンパ腫の診断は、彼女にとってさらに大きな試練でした。リンパ腫はリンパ系(免疫系の一部)に発生するがんで、彼女の場合はNK/T細胞性リンパ腫というまれなタイプでした。この診断は「奈落の底に落ちるような感覚」をもたらしましたが、患者会での出会いや、同じ病気を経験したパートナーとの結婚を通じて、彼女は新たな夢を見つけました。結婚や患者会での活動は、彼女にとって「自分らしさ」を再定義する場となりました。彼女の夢は、闘病を通じて得た仲間や経験を糧に、希望を伝え続けることです。

前向きで力を与える発言や考え:

  • 「諦めてもなお、新しい希望がある」: 「私は高校生の頃から部活や恋愛、仕事を諦めることが多かった。でも、生きていれば必ず新しい希望が見つかると信じています。」

  • 「仲間は私のキャンサーギフト」: 「がんを通じて全国の仲間と出会えたことは、普通の人生では得られない宝物だと感じています。」

  • 「今を生きることが大事」: 「不妊の告知はショックだったけど、母に『今生きていることが大事』と言われ、未来への一歩を踏み出せました。」

(がんノート)

多和田奈津子さんの甲状腺癌闘病記:診断と治療の詳細:

甲状腺がん(1988年、16歳)

  • 診断プロセス:

    • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の既往があり、定期的な触診で異常発見。

    • 子ども病院で初診後、総合病院に転院。

    • 検査(触診、画像診断)で甲状腺がんの可能性が判明。

    • ステージⅠと診断、リンパ節に軽度の転移を確認。

  • 治療プロセス:

    • 手術:甲状腺全摘およびリンパ節の一部摘出。

    • 術後、薬物療法はなし。

    • 肺転移のリスクのため、定期的な肺検査を継続。

  • 精神的影響:

    • 告知時、がんの重さを理解せず、家族の反応で重大性を認識。

    • 12歳での扁桃腺手術経験から、手術への不安は軽減。

悪性リンパ腫(1997年、25歳)

  • 診断プロセス:

    • 症状:空咳、くしゃみ、夜間の高熱(38℃)、寝汗、微熱の繰り返し。

    • 耳鼻科受診で鼻腔の腫瘍を発見、鼻血を伴う。

    • 組織診でNK/T細胞性リンパ腫(高悪性度、限局期)と診断。

  • 治療プロセス:

    • 放射線治療:東京の病院で1カ月強実施。限局期のため有効。

    • 化学療法:地元病院で5カ月実施、腫瘍の増大抑制を確認。

    • 自家末梢血幹細胞移植:強い化学療法後、事前に採取した細胞を移植。

    • セカンドオピニオン:東京の病院で診断確認後、地元病院で治療継続。

  • 精神的影響:

    • 「奈落の底に落ちる」感覚を経験。

    • 再発の恐怖と闘いながら、患者会や家族の支えで回復。


多和田奈津子さんの甲状腺癌闘病記:がんの医学的説明

甲状腺がん

甲状腺がんは、甲状腺に発生する悪性腫瘍で、主に乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がんの4種類に分類されます。多和田さんの場合、詳細なサブタイプは不明ですが、ステージⅠでリンパ節転移を伴うことから、乳頭がん(最も一般的で予後良好)が可能性として高いです。甲状腺は、代謝や体温調節を司る甲状腺ホルモンを分泌する臓器で、がんの症状には首のしこり、声のかすれ、嚥下困難などがあります。彼女の場合は、甲状腺機能亢進症による腫れが早期発見のきっかけとなりました。

  • 疫学: 日本では年間約1.8万人(人口10万人あたり14人)が診断され、女性に多い(男女比1:4)。

  • 治療: 手術(甲状腺全摘または部分摘出)が標準。放射性ヨウ素治療やホルモン療法が追加される場合も。彼女は手術のみで寛解。

  • 予後: ステージⅠの5年生存率は90%以上で、肺転移のリスクは低いものの定期検査が必要。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、リンパ球(免疫細胞)ががん化する疾患で、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別されます。多和田さんのNK/T細胞性リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫のまれなサブタイプで、鼻腔や副鼻腔に発生しやすく、高悪性度です。症状には鼻閉、鼻血、発熱、寝汗、体重減少などがあり、彼女もこれらを経験しました。

  • 疫学: 日本での非ホジキンリンパ腫の年間発症率は10万人あたり約20人。NK/T細胞性は全体の1-2%。

  • 治療: 限局期では放射線療法が有効で、進行期では化学療法や幹細胞移植を併用。彼女は放射線と化学療法、幹細胞移植で寛解。

  • 予後: NK/T細胞性リンパ腫は予後が厳しいが、限局期での早期治療により生存率は50-70%程度。

  • 参考ソース:

    • 国立がん研究センターがん情報サービス(ganjoho.jp):甲状腺がん、悪性リンパ腫の疫学と治療情報。

    • 愛知県がんセンター(cancer-c.pref.aichi.jp):がんの診断と治療の詳細。

    • 日本医事新報社(jmedj.co.jp):がん患者の治療事例と解説。