水橋朱音さんの鼻咽頭がん 闘病記。14歳でステージ3の鼻咽頭がんを経験し、治療や腎臓移植を経て看護師を目指す彼女の物語。勇気と希望のメッセージをお届け。
LA Butterflyとは:
LA Butterflyは、ロサンゼルス発信のがんサバイバーたちが『自分らしさ』を見つけ、力を得たストーリーを届けるプラットフォーム。さなぎから蝶へと羽ばたくイメージを込め、彼らの言葉、学び、おすすめアイテムをまとめ、希望と勇気を共有します。
水橋朱音さん闘病まとめ:
鼻咽頭がん 闘病記として、水橋朱音さんの壮絶な体験は多くの人に勇気を与えます。14歳で鼻咽頭がんを発症し、ステージ3の診断を受けた彼女は、抗がん剤や放射線治療、腎臓移植を経験。現在は看護学生として夢を追い、恋愛や仕事にも前向きに取り組む姿は、がん患者や闘病中の人々にとって希望の光です。この記事では、彼女の診断から治療、夢への挑戦、そして力強いメッセージを詳しく紹介します。
鼻咽頭がん 闘病記で見つけた自分らしさと夢:
水橋朱音さんの鼻咽頭がん 闘病記は、単なる病気との闘い以上のものです。14歳という若さで鼻咽頭がんを発症した彼女は、過酷な治療を乗り越えながら、自分らしさを見つけ、看護師という夢を追い続けました。
自分らしさの発見
中学3年生の夏、首の腫れから鼻咽頭がんが発覚。診断までの3か月間、4つの病院を回り、病名がわからなかった不安は大きかったと言います。しかし、告知を受けた際、彼女は「これで治療できる」と安堵したと語ります。このポジティブな姿勢は、彼女の自分らしさの核心です。入院生活では、閉鎖的な環境で人との関わりが減り、一時的に恋愛や対人関係に消極的になった時期もありました。それでも、患者会での出会いや看護師への憧れを通じて、徐々に自分を取り戻していきました。
看護師への夢
朱音さんが看護師を目指したきっかけは、入院中に支えてくれた看護師の存在です。「治療だけでなく、心のケアをしてくれる姿に憧れた」と語る彼女は、高校1年生の頃から看護師を志すようになります。通信制高校を経て4年制大学に進学し、現在は看護学生4年生。国家試験合格後、精神科看護師として新たな一歩を踏み出そうとしています。
当初は小児科看護師を目指していましたが、腎臓移植後の免疫抑制剤の影響で感染症のリスクが高く、子どもに危害を及ぼす可能性を考慮し、断念。彼女にとって、この決断は「がんになって以来、最も落ち込んだ瞬間」でした。しかし、患者の心のケアを重視する精神科への進路変更は、彼女の「人に寄り添いたい」という根本的な願いを反映しています。
恋愛と自己受容
鼻咽頭がん 闘病記のなかで、朱音さんの恋愛観も印象的です。がん経験者であることをオープンにし、患者会で知り合ったパートナーと1年8か月の交際を続けています。相手もがん経験者であるため、互いの体調や気持ちを理解し合える関係が築けています。彼女は「最初から病気の話をしなくても通じ合う」と語り、ありのままの自分を受け入れる姿勢が伺えます。
未来への希望
朱音さんの物語は、鼻咽頭がんという病気を乗り越え、自分らしさを見つけ、夢に向かって進む過程そのものです。彼女の経験は、闘病中の人々に「自分を大切に、思いを言葉に」というメッセージを伝え、希望を与えます。
前向きで力を与える発言や考え:
- 「生きていることが大切」:「入院中は周りに気を遣ったり、役に立っていないと感じたりするかもしれないけど、まず自分を大切にしてほしいと思うんです。」
- 「思いを言葉に」:「泣きたいときは泣いて、つらいときはつらいと言って、笑いたいときは笑って。素直に気持ちを言葉にすることで、自分も楽になると思うんです。」
- 「看護師の寄り添い」:「看護師は患者の言葉を聞きたいし、寄り添いたいと思っている。気持ちを伝えることで、もっと深い関わりが生まれると思うんです。」
- 「過去は過去」:「がんのことは隠す必要もないけど、あえて言う必要もない。10年経って、今は普通に生活できるから、過去のこととして前を向けると思うんです。」
(がんノート)
水橋朱音さんの闘病記録:
- 診断プロセス
- 発症時期:2006年春、中学3年生(14歳)。
- 初期症状:首の痛みと腫れ。
- 病院巡り:3か月間で4つの病院を受診。
- 診断:4軒目の小児病院で「鼻咽頭がん ステージ3」と確定。
- 告知内容:「鼻咽頭がんです」「ステージ3」「髪が抜ける」「50〜70%の確率で治る」。
- 心理的反応:病名不明の不安が大きかったため、診断で安堵。
- 治療プロセス
- 抗がん剤治療
- 開始時期:診断直後。
- 内容:手術ができない部位のため、まず抗がん剤を投与。
- 副作用:腎臓に影響を及ぼし、慢性腎不全を発症。
- 放射線治療
- 開始時期:抗がん剤治療後。
- 内容:鼻咽頭がんの標準治療として実施。
- 人工透析
- 開始時期:2006年秋。
- 理由:抗がん剤の副作用による慢性腎不全のため。
- 腎臓移植
- 実施時期:2011年春。
- ドナー:母親からの生体腎移植。
- 背景:がんの5年生存率を考慮し、再発リスクを抑えるため5年待機。
- 影響:免疫抑制剤の服用が必要となり、感染症リスクが増加。
- 抗がん剤治療
鼻咽頭がんの詳細な説明
鼻咽頭がんとは
鼻咽頭がんは、鼻腔と咽頭の間にある鼻咽頭に発生する悪性腫瘍です。主に上皮細胞から発生し、扁平上皮がんが一般的。日本では比較的まれで、年間約0.5〜1人/10万人程度の発生率です。発症要因には、Epstein-Barrウイルス(EBV)感染、遺伝的要因、喫煙、飲酒、アジア地域での塩蔵食品の摂取などが関連します。
症状
- 首のリンパ節の腫れ(朱音さんの初期症状)。
- 鼻詰まり、鼻血、耳鳴り、難聴。
- 進行すると、頭痛や視力障害も。
診断と治療
- 診断:内視鏡検査、生検、CT/MRI、PETスキャンで腫瘍の位置やステージを評価。
- 治療:手術が難しい部位のため、放射線治療と抗がん剤治療が主流。分子標的薬や免疫療法も研究中。
- 予後:ステージ3の5年生存率は50〜70%程度(朱音さんの告知時と一致)。
参照情報
- 日本頭頸部外科学会
- URL: https://www.jshns.org/
- 内容:鼻咽頭がんの症状、診断、治療法のガイドライン。
- 国立がん研究センター
- URL: https://www.ncc.go.jp/jp/
- 内容:鼻咽頭がんの疫学データと治療の最新情報。
- Cancer.Net(ASCO)
- URL: https://www.cancer.net/cancer-types/nasopharyngeal-cancer
- 内容:鼻咽頭がんの国際的な治療動向と患者向け情報。