白石大樹さんの甲状腺癌闘病記。27歳で甲状腺がんステージⅢAを経験し、解雇を乗り越え作業療法士に。希望と再生の物語を詳細に紹介。
LA Butterflyとは:
LA Butterflyは、ロサンゼルス発信のがんサバイバーたちが『自分らしさ』を見つけ、力を得たストーリーを届けるプラットフォーム。さなぎから蝶へと羽ばたくイメージを込め、彼らの言葉、学び、おすすめアイテムをまとめ、希望と勇気を共有します。
白石大樹さんの甲状腺癌闘病記:
白石大樹さんの甲状腺癌闘病記は、27歳で甲状腺がん(ステージⅢA)を経験し、仕事の解雇という試練を乗り越え、作業療法士として新たな人生を切り開いた感動的な物語です。2011年に発熱をきっかけに腫瘍が発見され、2012年12月に甲状腺がんと診断。手術とアイソトープ治療を経て寛解に至りました。解雇のショックや後遺症を抱えながらも、ヘルパー資格取得や国家資格取得を目指し、患者の立場から医療従事者へ転身。彼の「新しい自分をつくる」姿勢は、甲状腺がん闘病中の人々に勇気を与えます。
白石大樹さんの甲状腺癌闘病記:自分らしさの発見と夢:
白石大樹さんの甲状腺癌闘病記は、逆境をバネに自分らしさを見つけ、夢を追い続けた物語です。27歳で製造業に従事していた彼は、過酷な労働環境の中、39度の高熱をきっかけに甲状腺がんを発見。診断までのプロセスは、仕事の忙しさから検査が遅れ、もやもやした期間を過ごしました。診断確定後、転職直後の解雇というショックを受けながらも、彼は「新しい自分をつくる」ことを決意します。
甲状腺がんは、甲状腺(喉の前面に位置し、代謝や体温を調節するホルモンを分泌する臓器)に発生する悪性腫瘍です。白石さんの場合、4cmの腫瘍が喉に明らかなしこりとして現れ、細胞診(細い針で腫瘍の細胞を採取し、顕微鏡で悪性度を評価する検査)でステージⅢAと診断されました。このステージは、がんが甲状腺外にわずかに広がっている状態を指し、予後が比較的良好ながら治療が必要な段階です。
解雇という挫折を経験した白石さんは、治療後にヘルパー資格を取得し、介護施設で働きながら夜間に作業療法士の学校に通う生活を始めました。作業療法士は、身体や精神に障害を持つ人々の生活機能を支援する専門職で、彼自身の闘病経験がこの道を選ぶ動機となりました。甲状腺がんの後遺症である「飲み込みづらさ」や、併発する潰瘍性大腸炎(腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる難病)の影響を受けながらも、2018年に国家資格を取得。患者としての経験を活かし、患者に寄り添う医療従事者としての夢を実現しました。彼の自分らしさは、逆境を前向きに捉え、他人を支える力に変えた点に表れています。
前向きで力を与える発言や考え:
「新しい自分をつくる」: 「病気は自分を見つめ直すきっかけ。考え方を少し変えるだけで、新しい自分を発見できると思うんです。」
「寄り添うことが大事」: 「患者は共感や話を聞いてほしいと思ってる。医療従事者として、聞く時間を大切にしたいと思うんです。」
「気分転換で乗り越える」: 「再発の恐怖や落ち込むときは、海や土手を眺めて気持ちを切り替えるのが大事だと思うんです。」
(がんノート)
白石大樹さんの甲状腺癌闘病記:診断と治療の詳細:
診断プロセス
初期症状: 2011年9月、39度の高熱と喉のしこり(4cmの腫瘍)を自覚。
初診: かかりつけ医で腫瘍を発見、大学病院での精密検査を勧められる。
検査: 細胞診(細針吸引生検)を3回実施。腫瘍の悪性度を評価し、良性・悪性の判断が曖昧な結果に。
診断確定: 2012年12月8日に大学病院で甲状腺がんの可能性を告知、12月25日にステージⅢAと確定診断。
診断遅延の背景: 製造業の過酷な勤務(3週間連続勤務)により、検査が3カ月遅れる。
治療プロセス
手術(2013年1月):
甲状腺全摘手術を実施。入院期間は約2週間。
術後、首の固定や点滴による身体的負担、隣室の患者の叫び声による精神的ストレスを経験。
アイソトープ治療(2013年5月):
放射性ヨウ素(アイソトープ)をカプセルで服用し、残存がん細胞を破壊。2回実施。
治療前2週間、ヨウ素制限食(海藻、しょうゆ、塩味の食品を避ける)が必要で、味気ない食事に苦労。
経過観察:
術後3カ月に1回の検査を経て、現在は半年に1回。疑わしい所見があったが、問題なく寛解中。
後遺症:
飲み込みづらさ(嚥下障害)や喉の違和感が残存。天候による影響も。
白石大樹さんの甲状腺癌闘病記:がんの医学的説明
甲状腺がん
甲状腺がんは、甲状腺に発生する悪性腫瘍で、主に乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がんの4種類に分類されます。白石さんの場合、ステージⅢA(がんが甲状腺外にわずかに広がり、リンパ節転移の可能性がある段階)で、乳頭がん(予後良好、70-80%を占める)が推定されます。症状には首のしこり、声のかすれ、嚥下困難があり、彼の場合は4cmの腫瘍が目視できるほどでした。
疫学: 日本で年間約1.8万人(人口10万人あたり14人)が診断。女性に多く(男女比1:4)、20-40歳代で発症しやすい。
治療: 手術(甲状腺全摘または部分摘出)が第一選択。放射性ヨウ素治療(アイソトープ治療)は、残存がん細胞や転移を治療する。白石さんは両方を実施。
予後: ステージⅢAの5年生存率は約80-90%。定期検査で再発を監視。
後遺症: 嚥下障害や喉の違和感は、甲状腺摘出後の瘢痕組織や神経影響によるもの。
潰瘍性大腸炎(関連疾患)
白石さんが併発する潰瘍性大腸炎は、腸の粘膜に慢性の炎症が起こる自己免疫疾患で、甲状腺がんとは直接関連しないが、生活への影響が大きい。症状には下痢、血便、腹痛があり、食事