LA Butterfly

【鈴木美穂さんの乳がん闘病】:”大丈夫、未来はすごく幸せだよ。”サバイバーの知恵と心に響く言葉【LA Butterflyまとめ】

【鈴木美穂さんの乳がん闘病】:"大丈夫、未来はすごく幸せだよ。"

LA Butterflyは、ロサンゼルス発信のがんサバイバーたちが『自分らしさ』を見つけ、力を得たストーリーを届けるプラットフォーム。さなぎから蝶へと羽ばたくイメージを込め、彼らの言葉、学び、おすすめアイテムをまとめ、希望と勇気を共有します。

このページでは、24歳で乳がんを経験。闘病後、がん支援活動家としてマギーズ東京を設立し、多くの患者を支援している鈴木美穂さんを紹介。サバイバーの知恵と心に響く名言をまとめました。

まとめ:

鈴木美穂さんは、日本テレビの記者として活躍中の2008年、24歳の若さでステージ3の乳がんと診断されました。 右胸の全摘手術、放射線治療、抗がん剤治療、ホルモン療法などの過酷な治療を経て、8カ月後には職場復帰を果たしました。その後、若年性がん患者の支援活動に尽力し、2009年には「STAND UP!!」という団体を設立しました。さらに、イギリスの「マギーズセンター」に感銘を受け、2015年に「マギーズ東京」の共同代表理事に就任し、2016年に東京・豊洲にセンターを開設しました。このセンターは、がん患者やその家族が気軽に立ち寄り、相談や癒しの時間を過ごせる場所として機能しています。

闘病中、生きることを絶望していたあの頃の自分に:

“大丈夫、未来はすごく幸せだよ。変わらず本気で、濃い人生を生きているよ” VERY インタビュー

闘病中での『自分らしさ』の発見:

闘病中に医学部に行って研究者や医者になろうとまで考えた鈴木美穂さんは、は、その後考えを深め、自分と向き合い、発信する事が得意である事を見出しました

「「私の役割は、やっぱり発信する立場」と思いました。命を救うような偉大な研究とか医療はできないけれど、社会作りにおいては出来ることがあるかもしれないと思いました。」

「つまるところ私にとっての大きな軸は“伝えること”です。」

オンコロ インタビュー

鈴木美穂さんの診断時の状況:

  • 年齢:24歳
    • 「世の中では同じ24歳で乳がんで亡くなってしまう「余命1ヶ月の花嫁」というドキュメンタリーがドラマ化、映画化され、大流行していました。一方で、若くしてがんになりその後長く生きている人に出会ったことがなく、治療をしていても生きていけるイメージが持てなくて、死んでしまうことばかり考えていました。」VERY インタビュー
  • 診断
    • 右胸の乳がん,リンパにも転移のあるステージⅢ
    • ホルモン受容体、HER2陽性
      • 「勝手にトリプルポジティブと呼んでいるのですが、ホルモン受容体もHER2も陽性。ステージ3、がんは2つあり、合わせて5cmの大きさでした。」アフラック公式サイト
  • セカンドオピニオン
    •  「早い手術が必要と言われましたが全摘出を避けたいという思いと、最適な治療法を求めてセカンドオピニオンをもらいに複数の病院に行きました。」VERY インタビュー
  • 治療内容:
    • 右胸の全摘手術
      • 「複数の医師にセカンドオピニオンを求めましたが、全員が難しい顔をして右乳房全摘は免れないと言ったので逆に納得しました。」VERY インタビュー
    • 放射線治療
    • 抗がん剤治療
      • 三田病院乳腺センター長 吉本賢隆先生の判断で幸運にも2か月前に日本でも標準治療薬として承認され、保険適用承認されたHER2陽性の乳がん患者に対して効果があるとされる分子標的治療薬ハーセプチン(一般名:トラスツズマブ)を使用。
      • 「ハーセプチンは私にとって希望の光でした。副作用は厳しかったですが、それでも前を向くことができました。」「もしもすべての事に意味があるなら」
      •  「有名な病院でもハーセプチンを提案してくれるところと、そうではないところがありました。」
      • 抗がん剤治療の時は本当に辛かったです。眠れない状態が3日続いた後、眠ったときに見た夢の中で、美しい島に行きました。そこで、他界したはずの大好きだったおばあちゃんに会えました。不思議なことに、生きているはずの両親、友人たちもそこにいました。2カ月間、眠るたびに美しい島に行く夢を見ました。病床で抗がん剤の副作用で髪もなく、力も出なくて車椅子という現実が苦しくて、夢の中で島に行くことが救いでした。アフラック公式サイト
      • ハーセプチン開発の映画 Living Proof
    • ホルモン療法
      • 「吉本先生に「いい彼ができたみたいだから、ホルモン治療は終了。出産を考えるのも遠くないかもしれないから!」と言われ、8年半に及ぶ治療が終了」VERY インタビュー
        • 「ここに写っているのは、乳がんの治療後に結婚したり子どもを産んだりした元患者さん。鈴木さんも諦めないで治療して、いつか子どもを産んだ時には一緒に写真を撮らせてね。この瞬間がすごく幸せでさ。それまで一緒に寄り添うのが主治医だと思っている」アフラック公式サイト

参考資料:

鈴木美穂さんの活動の経緯:

  • 2006年:慶應義塾大学法学部を卒業し、日本テレビに入社。
  • 2008年:24歳で右胸のステージ3乳がんと診断される。
  • 2009年:若年性がん患者団体「STAND UP!!」を設立。
  • 2013年:がん患者のためのワークショップを開催するプロジェクト「Cue!」を始める。
  • 2015年:NPO法人「マギーズ東京」の共同代表理事に就任。
    • “きっかけとなったのは患者支援団体の代表が世界各国から集まる国際交流会議「IEPPO」に参加してからです。そこではがんに対する考え方がまるで日本と違い、さまざまな刺激を受けたのですが、大きな収穫となったのは、英国発祥の「マギーズセンター」のことを知ることができたことです。”日本経済新聞
  • 2016年:東京・豊洲に「マギーズ東京」を開設。
  • 2016年〜2018年:「スッキリ」「情報ライブミヤネ屋」ニュースコーナー デスク兼キャスター
  • 2018年:〝告知から10年目〞に入籍。
  • 2019年:CancerXを立ち上げ。念願の世界一周旅行をスタート。
  • 2022年:娘さんを出産。
    • “(セカンドオピニオンで)病院を何軒も回る中、赤ちゃんを抱く笑顔のお母さんたちの写真をたくさん貼ったパネルを見せてくれた先生がいました。「みんな、かつての僕の患者さん。鈴木さんだってこうなるんだから」。そう言って、将来の出産のことまで視野に入れた治療計画を提案してくださった”VERY インタビュー
    • “治療後に子どもを授かれる可能性もあると唯一言ってくれた医師のもとで、標準治療のフルコースを受けました。”(参考: CancerX

「マギーズ東京」

マギーズ東京は、豊洲にあるがん患者とその家族を支援するための施設です。ここでは、専門のスタッフが無料でカウンセリングや情報提供を行い、がん患者が抱える様々な悩みや不安に対応します。施設内はリラックスできる空間で、患者が安心して過ごせるよう設計されています。

「本当に落ち込んでいるときって、テレビやネットも見たくない。なんで笑ってるの、ってテレビの中の人にまで嫉妬してしまう。そんな段階の人でも来てもらえるような場所になればと思います。病院で説明されたことを、一緒に理解する。ただ泣くだけでもいい。マギーズ東京のコンセプトは「HUG YOU ALL」その人すべてを抱きしめるという意味です。がんになると、「なんで私だけが」って思ってしまうのですが、ひとりじゃないよ、たくさんいるよ、と伝えたいです。」アフラック公式サイト

住所:
東京都江東区豊洲6丁目4−18

参考リンク:

豊洲近辺にある他のがん関連施設:

  • 1. がん研有明病院
    • 所在地: 東京都江東区有明3-8-31
    • 特徴: 日本有数のがん専門病院。手術、化学療法、放射線治療など、幅広い治療オプションを提供。
    • URL: がん研有明病院

  • 2. 江東病院
    • 所在地: 東京都江東区大島2-13-10
    • 特徴: 地域に根差した総合病院。がん治療にも力を入れており、緩和ケアも提供。
    • URL: 江東病院

  • 3. 東京医科歯科大学医学部附属病院
    • 所在地: 東京都文京区湯島1-5-45
    • 特徴: がん治療に特化した診療科があり、特に頭頸部がんや消化器がんの治療が有名。
    • URL: 東京科学大学病院

  • 4. 日本赤十字社医療センター
    • 所在地: 東京都渋谷区広尾4-1-22
    • 特徴: がん治療に力を入れる総合病院。特に乳がんや血液がんの治療が有名。
    • URL: 日本赤十字社医療センター

  • 5. 聖路加国際病院
    • 所在地: 東京都中央区明石町9-1
    • 特徴: がん治療や緩和ケアに定評がある。国際的な医療サービスも提供。
    • URL: 聖路加国際病院

  • 6. 東京都立駒込病院
    • 所在地: 東京都文京区本駒込3-18-22
    • 特徴: がん治療や感染症治療に特化した都立病院。緩和ケアも提供。
    • URL: 東京都立駒込病院

  • 7. 東京女子医科大学病院
    • 所在地: 東京都新宿区河田町8-1
    • 特徴: がん治療に特化した診療科があり、特に女性のがん治療に力を入れている。
    • URL: 東京女子医科大学病院

鈴木美穂さんが、闘病中に前向きへの気持ち切り替えのきっかけ:

がんと診断された当初、鈴木美穂さんは大きなショックを受けました。しかし、治療を続ける中で「限られた時間の中で自分は何を大切にするべきか」と考え、自分らしく生きることの大切さに気づきました。特に、同じがんサバイバーたちの存在が大きな支えとなりました。彼らの経験談を聞くことで、「がんになったからこそできることがある」と前向きに考えられるようになったそうです。参考: がんノート

  • “ロールモデルの存在を力にする” P138 『もしもすべてのことに意味があるなら』(書籍)Amazonページ
    • ”曽我千春さん、乳がんの先輩です。”
    • “そんな彼女に、わたしは希望の光を見た気がしました。” 

闘病中嬉しかったこと:

鈴木さんは、闘病生活の中で家族や友人、医療従事者の温かい支えに励まされたと語っています。特に、同じくがんを経験した人たちからの言葉や、小さな励ましのメッセージが大きな力になりました。また、仕事仲間や友人が普段と変わらず接してくれたことも嬉しかったと振り返っています。病気を特別扱いせず、いつも通りの会話をしてくれることで、気持ちが楽になったそうです。参考: VERY

先輩サバイバーからのアドバイス:

鈴木さんが参考にした先輩サバイバーからのアドバイスには、以下のようなものがあります。

  • 「つらい時は無理せず頼っていい」 – 一人で抱え込まず、周りのサポートを受け入れることが大切。
  • 「気持ちが沈んだら、まずは小さな楽しみを見つける」 – 美味しいものを食べる、好きな音楽を聴くなど、日々の小さな楽しみを大切にする。
  • 「治療が終わった後の生活を意識してQOLを大切に」 – 副作用や体力の変化に備えて、できる範囲で体調を整えることが重要。(参考: CancerX

鈴木美穂さんが、QOL改善の為に行った事:

  • 体力維持のための軽いストレッチ – 長時間のベッド生活で筋力が落ちるのを防ぐため、無理のない範囲でストレッチを実施。

LA Butterflyについて:

LA Butterflyは、ロサンゼルス発信のがんサバイバーたちによってデザインされたプラットフォームです。その名前に込められたのは、さなぎの中から美しい蝶として羽ばたくイメージ。治療内容や医学的な情報よりも、サバイバーたちがどのように自分らしさを発見し、それを力に変えてきたかに焦点を当てています。彼らの言葉、学び、そして日常生活を支えたアイテムを共有することで、同じ道を歩む人々に希望と勇気を届けます。各サバイバーのストーリーは、時には本人へのインタビューを通じて深く掘り下げ、リアルで心に響くメッセージを届けます。LA Butterflyは、がんとの闘いの中で自分らしさを見つけ、輝き続ける人々の物語を紡ぐ場所です。

リンク集:

    • 『もしもすべてのことに意味があるなら』(書籍)Amazonページ
    • 『7つの習慣 賢者のハイライト 第2の習慣 鈴木美穂ver.』(書籍)(キングベアー出版)Amazon
    • 『完訳 7つの習慣 7人の直筆メモ』(書籍)(キングベアー出版)Amazon
    • セント・フォース プロフィールセント・フォース公式サイト
    • CancerX プロフィールCancerX
    • YouTube インタビュー動画YouTube動画
    • アフラック「がんを知る」インタビューアフラック公式サイト
    • がんノート インタビューがんノート
    • VERY インタビューVERY
    • 東京新聞 インタビュー東京新聞
    • オンコロ インタビューオンコロ
    • 日本経済新聞 インタビュー日本経済新聞
    • ダイヤモンド・オンライン インタビューダイヤモンド・オンライン
    • がんサバイバー・クラブ インタビューがんサバイバー・クラブ
    • 日経ウーマンオンライン インタビュー日経ウーマンオンライン
    • 【乳がん】サバイバー鈴木美穂さん 出産し24歳の自分に”未来はすごく幸せだよ。
      • 『もしもすべてのことに意味があるなら』(書籍)(Amazon)
    • 【乳がん】ステージ4をきっかけに漫画家に/白戸ミフルさん
      • 『乳がんステージ4だった私が、それでも合コンに行きまくって救われた話』白戸ミフル 著 (キノブックス) (Amazon)
    • 【肝臓がん】自分らしく生きた山下弘子さん
      • 『雨上がりに咲く向日葵のように ~「余命半年」宣告の先を生きるということ』 山下 弘子 (著) (Amazon)
      • 『最後の「愛してる」 山下弘子、5年間の愛の軌跡』(書籍) (Amazon)
    • 【消化器系】女性向けがん患者向けSNS「Peer Ring Bleu
    • 【大腸がん】「語る! 大腸がんサバイバー カロリーナ(You Tube)
    • 【大腸がん】サバイバー 田中聡子さんの親子の闘病を描いた絵本 「ママのバレッタ」(Amazon)
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      • 『食器と食パンとペン』(穂村弘ほか)
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