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大腸がんって、どんな病気?

 

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大腸がんはどんな臓器?

大腸は消化管の最後の部分です。お腹の右下から始まり、右上→左上→左下→肛門とつながっています。
肛門から約15センチのまっすぐな部分を直腸、それより奥の部分を結腸と呼びます。大腸の役割は水分吸収で、小腸が栄養吸収を行い、大腸はほとんど行いません。

大腸がんとは?

大腸がんは大腸の粘膜(一番内側)にできるがんです。
進行すると徐々に深くなり、となりの臓器に浸潤(広がること)したり、近くのリンパ節や、肝臓や肺などの離れた臓器に転移(遠隔転移)したりします。
症状としては、血便が出たり、腸が詰まったり、腸に穴が開いて腹膜炎を起こしたりします。
他の臓器に転移すると、その機能を妨げ、いずれも命にかかわります。

大腸がんの統計

1.胃がんを抜いてトップ

2017年の全国データでは、約15万3000人が大腸がんと診断され、男性は約8万7000人、女性は約6万6000人(男女比、約4対3)です。以前は日本では胃がんがトップでしたが、原因となるピロリ菌の保有率が下がって減少する一方、食生活の変化などにより大腸がんが増加してトップになりました。

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」

2.高齢化と大腸がん

大腸がんは高齢になると増えるので、人口の高齢化も大腸がん増加の原因の1つです。
40代から徐々に増えて、60~70代で一番多くなっています。

3.結腸がんと直腸がん

大腸がんのできやすい部位は、大腸の終わりに近いS状結腸や直腸です。
ただ、日本では昔に比べると、直腸がんが減り、結腸がんの割合が増えています。
結腸がんの割合は1975年に約50%だったのが、2017年では約62%に増加しています。
男女別の結腸がんの割合は、2017年では、男性の約59%に対して女性は約67%で、女性のほうが男性より少し高いです。

大腸がんの症状は?

大腸がんの初期症状に痛みはほとんどありません。
出血は初期からありますが、便を見てもわからないことが多く、便潜血検査を行う必要があります。
腫瘍が徐々に大きくなると、腫瘍の中央部が潰瘍になり、出血量が増えて血便が出ます。
さらに、便が出にくい、腹痛、下痢、お腹がゴロゴロするなどの症状が出ます。

腫瘍の場所によっても少し症状が違います。
便がまだ柔らかい右側結腸の腫瘍は、便秘や腹痛は起こりにくく、少しずつ血が出ることでひどい貧血になってから発見されることがあります。
水分が吸収され便が固くなる左側結腸から直腸の腫瘍では、便秘、腹痛、便が細い、血がつくなどの症状が出やすいです。
腸が完全に詰まると腸閉塞となり、早期の入院が必要になります。まれに、腫瘍の部分で腸に穴が開くと、便がお腹に漏れて激しい腹膜炎となり、緊急手術が必要になります。

大腸がんの原因は?

大腸がんは、発症したときには、原因がわかることが少ないです。
ただ、大腸がんになりやすくなる要因は、喫煙、飲酒、赤身肉や保存肉の摂取、肥満、糖尿病などが知られています。

遺伝性大腸がん

全体の5%前後ですが、遺伝性の大腸がんもあります。よく知られた遺伝性大腸がんは2つあります。

1.家族性大腸腺腫症

がんを抑える遺伝子の1つであるAPC遺伝子の異常で起こります。
10代から大腸ポリープが多発(通常100個以上)し、10代後半ごろから、その多発したポリープからの大腸がん発症が見られ、40代で50%、60代でほぼ100%が、大腸がんを発症するといわれています。

2.リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)

DNAを修復する働きを持つDNAミスマッチ修復遺伝子(MLH1、MSH2、MSH6、PMS2)の異常で起こります。リンチ症候群の人は一生で80%程度が大腸がんを発症し、右側の結腸にできることが多いとされています。大腸がん発症時の平均年齢は、普通は60代ですが、リンチ症候群では40代です。大腸がん以外にも子宮体がん、尿路上皮がん、小腸がんなどを発症しやすいとされています。

大腸がんの予防は?

「大腸がんの原因は?」に記載されている大腸がんになりやすくなる因子を避けることです。
ほかに定期的に運動する、野菜と果物を食べるなどが、大腸がんになる確率を下げると考えられています。
アスピリンを内服している人、閉経後の女性ホルモン補充療法を受けている人は、大腸がんが少ないというデータもあります。ただ、大腸がん予防のためにこれらの薬を飲むことは、副作用もあるので慎重さが必要です。


LA Butterflyとは:

LA Butterflyは、ロサンゼルス発信のがんサバイバーたちによってデザインされた日米仏対応プラットフォームです。その名前に込められたのは、さなぎの中から美しい蝶として羽ばたくイメージ。治療内容や医学的な情報よりも、サバイバーたちがどのように自分らしさを発見し、それを力に変えてきたかに焦点を当てています彼らの言葉、学び、そして日常生活を支えたアイテムを共有することで、同じ道を歩む人々に希望と勇気を届けます。各サバイバーのストーリーは、時には本人へのインタビューを通じて深く掘り下げ、リアルで心に響くメッセージを届けます。LA Butterflyは、がんとの闘いの中で自分らしさを見つけ、輝き続ける人々の物語を紡ぐ場所です。

 

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